役に立たない人は排除していく世界

最近世の中を報じるものをみるにつけ、

「役に立たない人は生きている資格がない」

「厄介者は死ね」

というメッセージを感じる(T_T)。

特に老人を厄介者、とはっきりいわなくてもそう匂わせているように感じてしまうのは、

自分が老人に近づいているからだろうか‥( ̄◇ ̄;)。

 

年金が払いきれない、介護負担が大変、若者に負担を強いている‥。

 

毎日のように論じられている。

ちょっとネットを見ても、若者の不満は溢れかえっている。

 

オレはまだ、必死に働いて税金を払っている方だが、そしてたぶん年金はもらえない側だが、こうした論調で、「世の中を憂いていますよ」という体の、絶対老後は困らないだろうと思われる識者の話を聞いていると、

「だから何?老人は死ねって言ってるの?」

と、老人側に立ってイライラしてしまう。

 

確かに論理的に考えると、老人が多すぎて年金が払えないなら老人が減ればよい。

介護に苦しむ人が多いなら、介護が必要になった人には死んでもらえばよい。

とてもすっきりしている。

なんで、将来性のある若者が、将来性のない人たちのために損をしなきゃならんのだ。

もし、AIに解決策を聞いたら、即この答えを出してくると思われる。

なんでこんな単純な話にニンゲンが悩むのか、AIには理解不能だろう。

 

最近、「論理的思考」がもてはやされているが、論理的思考というのはつまり、

「どうすれば一番利益を得られるか」

ということを純粋に考える技術ではないかな、と思う。

論理的思考をする人ばかりが増えた社会は容赦無く、怖い社会になる気がする。

正論ばかり言いたてられて追い詰められていく‥( ̄ロ ̄|||)

それは違う!‥と言いたくてもどう違うの?と聞かれると、言葉では説明できなくて、ハナで笑われそうな気がする‥。

 

そうして、老人や障害者が排除されると、次に目につくのは、若いけれど能力の劣るひとたちだ。危険な仕事や便利な使い走りのような仕事しかなくなってくる。

それもやがて機械がとって変わるようになると、不要な人たちになる。

 

そうして、それも排除されると、次は‥目に付く役に立たない人は‥。

 

能力がないんだから当たり前だ、と現在他人事と思っている富裕層たちも、彼らもやがて歳をとる。病気になるかもしれない。

その時やっと思い知るのかもしれない‥。

 

ああ、妄想が止まらない‥(^▽^;)。

 

「とんがり帽子のアトリエ」という、可愛い絵柄の漫画がある。

その中のちょっとしたエピソードで、魔法使いたちの理想郷の話がでてくる。最初はまさに素晴らしい、理想的な社会としか思えなかったが、やがて滅亡してしまう。

 

なんだかそれを思い出してしまった。