心の闇なんてない。きっとそれで全部だ。

秋葉原の無差別殺人の被害者の方のインタビューを見た。



その人は斬りつけられた人の手当をしようとしていて、自分も斬りつけられたのだ。
なぜそんなことをしたのかが知りたくて、犯人の逮捕後、接触を試みる。
犯人からの手紙にはこんな文章があった(うろ覚えだが)。




「この先私のような人間を生まないためにもすべてを明らかにしようと思います。」



これで少しは事件のことが理解できるかもしれない、と被害者は期待した。
しかしその内容を読み、拍子抜けする。




「彼の手紙や本をいくら読んでも、ただ『ネットの掲示板で悪口を言われた』とか
それくらいしかでてこないんです。それくらいであんな事件を起こすはずがない。
隠された本当の心の闇を明らかにして欲しいと思います。
なんとかそんなことをした本当の理由を知りたい」



オレは思った。




いや、彼の狭い世界の中では、『それくらいのこと』が
自分の存在を全否定されるくらい重大な事件だった。
常識人で、きちんとリアルの世界に居場所のある被害者には
彼の気持ちが理解できない。
もっと事件に釣り合うほどのどろどろしたものがあるはずだ、と。



しかし犯人にしてみれば、たいした告白をしたつもりだろう。
逆に
「え、これ以上何を言えば…?」
という気持ちかもしれない( ̄ー ̄;






うーん。
ひどくいやなことあっても、とりあえず思い詰めるのはやめよう。
と、なんだか決心した。



実は自分で思う程たいしたことじゃない、てのはよくある話だ。