不幸の中の小さな幸せ。

ものすごく悲しいできごとがあったときでも、
やがてお腹がすくし、
空腹のMAXで何か食べればやっぱりおいしい。
泣きながら食べてもやっぱりおいしいのだ。


というのはオレが食い意地がはっているだけなのだろうか。



ものすごく落ち込んでいるときでも、
ひょいと何かにのめりこむように集中する事があって、
その時は、たとえそのとき一瞬だけでも、
現実の自分を忘れて楽しくなったりする。



すごくかっこいいな、とふと耳にした音楽に気を取られたり、
なんの気なしに読み出した冒険小説に夢中になったり、
TVで偶然見たコントがものすごくおもしろかったり、
そんなささいなことで。




そんなふうになった後、我にかえる度、
オレは根が冷たい人間だ、とか
いい加減な人間だ、とか
恥ずかしくなるが、
でも、それは人間の本能で、だからこそ生きていける気がする。



どんな不幸の中にいるようにみえる人でも、本人になってみれば、
点在する小さな幸せがあるような気がする。
(本人はいちいち語らないだろうけど。)



そして、そんなときには、
「オレは不幸なはずだ」「悲しいはずだ」
などと統一性を追い求めずに、
楽しさを感じてもいいんだろうと思う。