一方を聞いて沙汰するな。

昔、大河ドラマの「篤姫」の中で瑛太が言っていたセリフだったと思う。
オレは何でもすぐ忘れてしまうが、このセリフだけは(言い回しは違うかもしれんが)、
心に残っている。



一方を聞いて沙汰するな。つまり、




片方の言い分だけ聞いて、判断するな。
 


と言うことだろう。



自分がより好きな人、より信頼している人の話であっても、そちらの言い分だけ
聞いていると、判断を誤ることがある。
必ず、両者の言い分を、フラットに聞く。


これは簡単なことのようで、なかなかできないことだと思う。
どんなに常識的な人でも、一方を聞いて沙汰することが多い。
やはり、大人とはいえ、感情的な部分は大きいのだ。


でも時として、より嫌いな人、より信頼できない人の方が
真実に近いことを語っていると思うことがある。




これはオレの実体験で、そのことはだいぶ後になってから実感して、驚いたことがある。
ああ、あれは単なるひねくれた意見ではなく(当時は頭からそう決めつけていたが)、
鋭い真実だったのかもしれないと。



嫌われ者だからと言って、その人の話に聞く耳ももたないのは間違っている。

もし、自分の好きな人、信頼している人のほうが正しいことを言っていたとしても、
素直に聞いていれば、対立している嫌われ者の方の話にも納得できる部分は
いくらかでも必ずあるのだ。



「盗人にも3分の理」
とは、昔の人、よく言ったものだ、とことあるごとに感心していたが、
「一方を聞いて沙汰するな」
にも、同じ精神が流れている気がする。




先入観を捨てて、どんな人の話にもいったん耳を傾けよう。という(^^)。




そして、これが本当にできるひとは、真の意味での賢人だと思う。
オレは今までにまだ会ったことはない。