正論と余裕の関係。(2017.10.18)

欧米で移民反対をことさら強く訴えるのは、移民と仕事をとりあうことになる人たちだという。
サービス業や工場の単純作業の仕事など、移民でも働きやすい場所で生計を立てている人たち。
低賃金でよく働くとなれば、企業は当然移民を歓迎するだろう。
自分の生活が脅かされる恐怖。仕事が奪われるかもしれない。
そして実際そうなっているとき、失業した人たちに
移民を受け入れないとは何と心が狭い!
といかにも正論を言ってせめたてるのは、たぶん自分の仕事が奪われる心配のない人たちだろう。
芸能人とか文筆業とか。
この人たちは悪気もなく善意で言うのだと思う。


そして、政治家や実業家、投資家は、仕事を奪われる人たちがいることがわかっていて言う。
いや、わかっているからこそ言う。
何と心が狭いことか、人種差別者だ、と。
そして、仕事が奪われた人たちに、仕事がないのは自己責任だ、と言い放つ。
個人のせいなので、国や会社が面倒を見る必要もない、とセーフティネットは減らせるし。
出すカネも少なくて済む。


日本ではまだ実感がなく、せいぜい移民が増えたらはちょっと不安だなあ、というのが一般人の雰囲気。
それに対してグローバルの人たち(誰だよ)は日本人は遅れている、心が狭い、だからだめなんだ、
受け入れている国々を見習わなければならない、
と言う。
(↑オレの思うグローバルの人たちってTVにでたり本を書いたりする人だな(⌒▽⌒))


日本人の不安と言えば今のところせいぜい、
体の大きい異人(⌒▽⌒)が群れて大声で盛り上がっていると怖いよなあ、とか
ゴミ捨てとかルール守らなそうだなあ、とか
そんなぼんやりしたものだ。


そして受け入れている国々、グローバルな人たちの言うところの
進んでいる国って多分欧米だと思うけど、うまくいっているところは
オレの知る限りではどこもない。
同じような道をたどっている。


でも、もしもその国に十分な仕事があり、自分の生活が脅かされる心配がなく、
何かあったとしてもセーフティーネットが十分にあれば、
そんなにみんなぎすぎすしないと思う。
移民、いいじゃない。この国はいい国だよ。
みんなこの国に来て住めばいい(⌒▽⌒)。
とたいていの人はニコニコして言うと思う。
自分の生活が危うい時に、そういうことを言える人はいないと思う。