自分の話ばかりする犯人。

秋葉原の無差別殺人の犯人のことは気になっていた。
あの人は、つかまってからとても饒舌で、そういってはなんだが、ずいぶんうれしそうだなあと報道を聞くたび思っていた。


ずっと世間からは無視された存在だったのが、こんな大きな事件を起こして注目されている!という高揚感。
みんながオレの話を聞きたがっている!オレのことを知りたがっている!
という喜び。
そういう気持ちが何よりも勝っているかんじがする。


被害者に対する謝りの言葉も何もかも芝居がかっている。
主人公気取りというか、認識が激しくずれていて、発言する機会があれば自分の話ばかりしようとする。
彼が現実感をもって、本当に激しく後悔することはないように思う。


ずっと無視されてきて、とるにたらない、いなくても同然の自分。
誰にも気にされない存在。
それが、無視していられない強烈な存在になったのだ。
それは彼がずっと望んできたことに違いない。
どんなにうれしいことか。


ああ、でもどんなにそれがカッコ悪く見えるか、彼には分らない。
オレは暗澹としてしまう。



無視された存在。
オレもその仲間のひとりだ。
認められた存在になりたい気持ちは痛いほどわかる。


でもオレは認められるためにきっとそんな安易な方法はとらない。


あるいは、無視されたままでも別にかまわない。
オレのよさがわからないようなやつは、ほっとけ(^◇^)